2014-03-29
物語の中で、hebenという語が出てきて、これがhaben支配であるので、ちょっと変な感じがした。場所の移動を示すのはだいたいsein支配と理解していたので、そうでない動詞もあるのか不思議に思ってのである。三好助三郎『新独英比較文法』郁文堂のp.133-135によれば、seinを取る動詞は、eilen, fahren, fallen, fliegen, folgen, gehen, kommen, landen, laufen, reisen, reiten, schwimmen, steigen のように場所の移動を表す自動詞か、aufstehen, aufwachen, einschlafen, erscheinen, ertrinken, genesen, geschehen, sinken, sterben, verschwinden, wachsen, werden, bleiben のように状態の変化をあらわす自動詞とのことである。
stehenは「~である」のように単なる状態を示すのであるからhabenを取るのは理解できる。アクセス辞書によれば、ドイツ南部、オーストリア、スイスでは、seinが使われることもあると言う。なるほど、ところで、フランス語と比較するとどうなるのか、調べてみたい。田島宏『初歩のフランス語』昇龍社 1970年刊, p.177によれば、aller, arriver, descendre, devenir, entrer, monter, mourir, naitre, partir, passer, rentrer, rester, retourner, revenir, sortir, tomber, venirであり、この本では17の動詞だけと数字まで明記している。
だいたい、重なるようだが、気になったのは、「生まれる」という語である。フランス語では、naitreとして自動詞があるが、よく考えてみたら、ドイツ語や英語では「生まれる」という意味の自動詞はないようだ。ドイツ語では、sein geborenという使い方だし、英語では、be bornという他動詞の受け身形での使い方のようだ。このあたり、面白い。
Muckのもの語りを少しずつ読んでいる。kindleで読むと本当に楽だ。分からない単語がでてきたら、その箇所を押さえれば訳がpop upしてくるのだ。もちろん、まだいろいろ不満はあるが、これからkindleはますます進化するだろう。紙の本を駆逐する日がくるのか。。。。。。