異文化の森へ

Poe の詩の Alone の構造、わかりやすくするために並べなおす。


Poe の詩の Alone だが、まだこの詩の構造がよく分からない。数日前のブログにその事を述べた。今日は正月でもあるので(別に正月であることは関係ないが)、ゆっくりとその構造について考えてみたい。まず、最初の8行を以下のように並べなおす。省略形は元に戻し、ピリオドを付ける。

(From childhood’s hour) I have not been as others were.
I have not seen as others saw.
I could not bring my passions (from a common spring). 
(From the same source) I have not taken my sorrow.
I could not awaken my heart to joy at the same tone .
And all I loved—I loved alone.

from 以下で始まる副詞句をカッコでくくった。これで主語・動詞・目的語などがわかりやすくなった。その行以下は次のように並べ直す。

(Then, in my childhood, in the dawn of a most stormy life,)
the mystery which binds me still was drawn from every depth of good and ill.  下線部が主語であり、以下のすべてのfromで始まる副詞句にかかる。

From the torrent, or the fountain—
From the red cliff of the mountain—
From the sun that ’round me rolled in its autumn tint of gold—   (‘round はaroundかroundか) 
From the lightning in the sky as it pass’d me flying by,

From the thunder, and the storm, and the cloud that took the form of a demon in my view 
(When the rest of Heaven was blue)
ところで、この詩だが、省略に関しては色々なversion があることに気づいた。Poem Analysis というサイトを見ると、原詩の8行目のlove だが、all l loved, I loved alone としてある詩もある。私が今並べた詩だが、これは省略が多い。おそらく原詩に最も近い方だろう。from the sun that round me rolled となっている文では、’round とあるから、元に戻すとaround が本当かとも思うが、サイトによっては、round となっているのもある。

mystery という語がこの詩のライトモティーフであろう。Poeにとっては、自分自身が mystery であった。その意味では、Baudelaire とよく共鳴し合う。ともに病的な繊細さを抱えており、自分自身が謎であり、どのように取り扱うべきか分からないままに窮死したのだ。

私はBradburyも好きだが、Poeと比べると、はるかに健全だという気がする。だからこそ、子供たちにも読まれているのだ。

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