異文化の森へ

Something Wicked This Way Comes を読んでいる。

Something Wicked This Way Comes を読んでいる。だいたい、半分ぐらいまで読んだ。翻訳の難しい小説だと思う。幻想小説であるので、言葉が幻想的に用いてある。つながりがよく見えない。そのあたりは感触で、だいたいこんなことを言っているのだろうと見当をつけて読んでいるが、正確には分からない。しかし、こんな本を翻訳している人がいるのか。

アマゾンで調べてみる。創元SF文庫に大久保康雄氏の翻訳がある。どんな人かと思いWikipedia を開いてみると、「大学で教職を取ったことはなくて、翻訳一本で生きてきた人」とある。そして、「下訳者たちを駆使し約55年にわたり膨大な「大久保訳」を生み出しており」とある。これは、現代でも、ホリエモンが下請けを使って本を量産しているように、下請けを使って翻訳を量産した人のようだ。

翻訳した本の量は大変なものだ。ヒトラーの『わが闘争』も翻訳してあるので、ドイツ語も堪能な人のようだ。そして、一年間で7~8冊を翻訳するときもあったようだ。こうなると、訳はほとんでお弟子さん達に任せて、最終的には本人は簡単に目を通すだけということになるだろう。

アマゾンのレビューを見ると、翻訳が云々といろいろと論じているが、こうなると翻訳の質に関するレビュー自体がむなしいものになる。

ところで、私自身は、この本の日本語訳を読んだことが20歳ぐらいの時にあるようにも記憶しているが、よくは覚えていない。とにかく、この本を読み終わったら、訳本を見てみたい、あの独特の文体をどのように翻訳しているか興味がある。

英語でもMartian Chronicles は英語が分かりやすい。語彙の幻想的な使用法を意識的におこなったのは、つまり曖昧に使ったのは、Something WickedFarenheit 451 ではないか。 

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