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Ross Macdonald という本がある。Tom Nolan という人が書いた本で、Scribner という出版社から、1999年に刊行されている。自分の蔵書をいろいろ見ていたら、こんな本を購入したようだ。すっかり忘れていたのだが、蔵書の中から発見して、いい本を買っていたと喜ぶ。
先ほどから数ページしか読んでいないが、伝記の著者は、Ross Macdonald は、Dashiell Hammett や Raymond Chandler の後継者であると述べている。でも、Hammett の本、有名なThe Maltese Falcon など数冊を読んだことがあるが、そんなにできのいいハードボイルド小説だとは思わなかった。殺人が起こるのも動機が無理なこじつけだと感じることが多かった。要は不自然な小説だと感じたのだ。
Raymond Chandler の方は面白い。代表作の幾つかを読んだ。Farewell, My Lovely (1940), The Little Sister (1949), and The Long Goodbye (1953)などはそれぞれ面白かった。でも、Ross Macdonald の方がより深く、人々の心の中の闇をえぐり取って行く。その意味では、自分にはおもしろさが断然違うように思える。こんな面白いハードボイルド小説を書いた作家の内面や背景を知ってみたい。
とにかく、この伝記だが、500ページほどあって読んでみたい。ただ、初めに Ross Macdonald の本をだいたい読んでから、この伝記に取りかかるべきだろう。自分にはいろいろな楽しみが待っている。