異文化の森へ

「朝飯」の言い方について


今は、C.S.Lewis のナルニア国の物語、Der Ritt nach Narnia (Ueberreuter 社、訳はWolfgang Hohlbein und Christian Rendel)を読んでいる。独訳なのだが、結構迫力があって、英語の原文よりも面白い。

ここはどのような意味なのだろうか。p.21だが、Ach, zum Kuckuck mit dem Frühstück, Zum Kuckuck mit allem. 辞書(独和大辞典を引くと「こんちきしょう」という意味と書いてある。主人公は朝飯を食べていないのだが、「朝飯なんて糞食らえ」と罵っているのだ。つまり、朝飯が見つからないのだ。

さて、ここで朝飯 Früh  + Stück を分解して考えてみる。Früh は「朝」という意味だ。形容詞 früh ならば「早い」という意味になる。「初夏の頃に」は im frühen Morgen となる。

Stück は「部分」という意味だ。早い+部分で朝飯になる。ちなみに、昼飯は Mittagessen  夕飯はAbendessenである。

フランス語と英語の「朝食」は、déjeuner だ。でも「昼飯」もdéjeuner のようだ。はっきり示すために、朝飯は petit-déjeuner とすることがある。この語源だが、jeûner 「断食する」から由来する。断食をやめる(dé)ことで朝飯という言葉が出た。これは英語のbreakfast もfast「断食」をbreak「やめる」ことから産まれた言葉だ。

フランス語で「夕食」はdîner だ。英語ではdinner 共に「聖餐」という意味だ。もっと軽い夕方の食事はsouper, supper である。スープ程度でsoupe, soup 程度ですます軽い食事だったのだ。

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