2015-03-04
第14夜は可愛らしい話である。二軒の農家があり、その間に古いオークの木(alte Eiche)が立っている。小さい女の子がじっと木を見ている。コウノトリが巣を作っている。女の子のお母さんが子供を産みそうなので、コウノトリが子供を運んでくると思い、じっとコウノトリの動きを観察している。すると兄弟である男の子(Knabe)も登場して、神様が子供を連れてくるんだというような話をする。そこへ、手伝いに来ていた隣の奥さんが、「弟が生まれたよ、コウノトリが運んできたよ」と二人に知らせる。
この本の中でいちばん好きな話だ。ほんわかして、読んでいて楽しくなる。
第15夜はあんまりいい話ではない。ナイチンゲールが鳴いている。夜の寒さの中で死にそうである。鳴き声は最後の歌(Schwanengesang)となるようだ。そこへ農夫の一家が馬車でやってくる。ブレーメンかハンブルクに行き、そこからアメリカへ渡りたいようだ。彼らの運命は、ナイチンゲールの歌が暗示するように、途中の船に何か起こりそうな感じである、そして、この話は終わる。