異文化の森へ

第121話〜126話

2015-01-01

第121話 Der Königssohn, der sich vor nichts fürchtet を読む。何事も恐れない王子が世界を知るために出かける。グリム童話集にはこのパターンが多い。世界を知るために旅立つ、Buildungsroman (教養小説)の形式が多々見られる。

王子は巨人と出会ってリンゴを持ってくる約束をする。王子は旅だち求められたリンゴと指輪を手に入れる。そして、巨人はリンゴを巨人に渡す。巨人は自分の花嫁にそのリンゴを渡すが、花嫁は指輪も欲しがる。巨人は王子に指輪を渡すように要求するが、その頼みを拒絶する。巨人は怒って王子を盲目にして、殺そうとするが、なぜかライオンが出てきて王子を救う。

不思議な水のおかげで再び見えるようになった王子はあるお城にきて王女と出あう。王女は美しいが、aber sie war ganz schwarz. (no. 7427) とある。この schwarz の意味が分からなくて、美しいが「邪悪な」王女であると解釈した。王女は自分は魔法にかけられていて、解かれるためには、王子が3晩広間で化け物たちと過ごす課題をこなす必要があるとなる。化け物と一緒に過ごす事(死と再生のテーマ)で、徐々に王女は白くなり、(ここで自分は schwarz が文字通り「黒い」意味であることを知る。最後は die war schneeweiß (no.7445)と王女はなって、魔法が解かれ、王子と王女は結婚をあげることになる。

前半の巨人はどうなったのか、巨人の花嫁はどうなったのか、書かれてない。また、ライオンが突然出てきて王子を助けるのはなぜか。前ストーリが書かれていない。などの構造的な欠陥がある。また、魔法が解けるにつれて色が黒から白くなるというテーマは現代では人種差別的なニュアンスがあるので、これは現代では問題視される物語であろう。

第122話はDer Krautesel である。このタイトルの意味が分からなかったが、読んでいるうちにKraut, Esel 草とロバの意味であることが分かった。若い漁師が森の奥で ein altes häßliches Mütterchen (no. 7455)と出会う。häßliches という語があるので、悪い魔女かと思うとそうではなくて、der weisen Frau (no. 7462)である。魔女に教わった通りに鳥を撃ち落として心臓を食べると毎朝枕元に金貨が現れることになる。(このパターンはすでに、どこかで既出のパターンである)それから別の魔女とその娘とのやりとりで、二人に裏切られて仕返しにロバに変身する草を食べさせるという話である。(Kraut はどうやら「草」の意味ではかくて、「キャベツ」の意味のようだ。辞書を引くと南ドイツでは「キャベツ」という意味でよく使うようだ」

第123話は Die Alte im Wald である。今までの話は男が主人公で旅だちのパターンであったが、ここでは、ein armes Dienstmädchen (no. 7552) が主人公である。森をご主人様の一行と進んでいたら、盗賊が現れてみなが散り散りバラバラになる。女中は途方に暮れていたら、鳩が現れて、その鳩の言う通りにしていたら、その鳩は王子様であり、二人は結ばれて幸せな結末となる。

第124話は Die drei Brüder は3人の息子に職業を見つけるようにした親子の話である。

第125話は Dier Teufel und seine Großmutter である。脱走兵士がドラゴンと取引する。7年後に謎を解くか、魂をドラゴンに渡すかという約束である。兵士たちはドラゴンの祖母にお願いして、謎の答えを知ることになり、めでたしめでたしという内容である。

第126話は Ferenand getrü und Ferenand ungetrü である。これは低地ドイツ語で書いてある。読むことができないので、英訳を探して読む。感想は、あまり面白い話ではない。

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