異文化の森へ

第120話 Die drei Handwerksburschen

2015-01-01

2015年新しい年が始まった。今年もどうか家族全員が元気で幸せであることを祈りたい。

さて相変わらずグリム童話集を読み続けている。第120話 Die drei Handwerksburschen を読む。3人の若者が職を求めている。悪魔と出会い、悪魔が人の魂を入手する手伝いをすることになった。それは、何があっても、3人は wir alle drei /ums Geld / und das war recht しか言ってはいけない約束をする。

3人はある宿に滞在する。その宿屋に金持ちの商人がやってくる。宿屋の主人はお金に目が眩んでその商人を殺害する。3人の若者が犯人とされて、裁判官の前に立たされる。裁判官が質問する。お前たちは殺人犯か?ー Wir alle drei. なんのために商人を殺したのか?ー Ums Geld. 自分のした罪を恐れないのか?ーUnd das war recht.

そこで死刑が執行されることになるが、悪魔が高官のふりをして馬車でやってきて「恩赦」と叫ぶ。(この馬車には、mit vier blutroten Füchsen bespannt (no.7365) とあるが、赤いきつねの皮で覆われていた?とのことか、これは高位の人の馬車の象徴か?)それで許されるが、3人は宿屋の地下には殺された人がたくさん吊るされていると告げる。調べるとその通りなので、宿屋の主人が罰として首を切られる。

悪魔は宿屋の主人の魂を得たので満足して、3人はお金をえて一生安楽に暮らすというお話である。まあまた面白かった。

(補足)mit vier blutroten Füchsen bespannt の箇所を英訳で調べるとby four blood-red chestnut horses とある。再度独和大辞典で調べると、Fuchse には「栗毛の馬」という意味があった。bespannen は馬に繋がれたという意味がある。なるほど、これで意味が分かった。調べたサイトはTales Collected by the Brothers Grimm http://myweb.dal.ca/barkerb/fairies/grimm/ である。
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年の初めのめでたい時、正月に読む話としてはイマイチだが、話自体は興味ふかい。特に3つの表現しか発してはいけないという約束を悪魔とするという点はユニークである。グリム童話集ではこのパターンは初めてではないか。

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