異文化の森へ

森の出会い

2014-12-08

Lecoq が面白くなってきた。本当は仕事があり、そちらを仕上げなければならないのだが、そちらを放り出して、この本を読んでいる。明日は本来の仕事をしなければと思うが。

d’Escorval の息子の Maurice がLacheneur の娘のMarie-Anne に求婚したが、父から断られる。とにかく、森でMauriceは Marie-Anneと会う約束になっている。Marriceが森の中で待っている。その時の情景は以下の通りである。美しい文章である。夏の日である。

Le temps était magnifique, l’air enflammé. Le soleil d’août dans toute sa force échauffait le sable et grillait les herbes rares des dernières pluies. Le calme était profond, presque effrayant. Pas un bruit dans la campagne, pas un bourdonnement d’insecte, pas un frémissement de brise dans les arbres. Tout dormait. Et si loin que portât le regard, rien ne rappelait la vie, le mouvement, les hommes. Cette paix de la nature, qui contrastait si vivement avec le tumulte de son cœur, devait être un bienfait pour Maurice. Ces moments de solitude lui permettaient de se remettre, de rassembler ses idées, plus éparpillées au souffle de la passion que les feuilles jaunies à la bise de novembre. (no. 1015)

この物語を kindle で読んでいるのだが、iPhoneでも同じようにして読める。そして、iPhone で読んだ場合は、気に入った文章をコピーして、それをevernote に貼り付けることができる。それで、こんな長い文章を引用しているわけである。

さてさて、Maurice と Marie-Anne が森の中で話し合う。二人は愛し合っているのだが、Marie-Anne は父を裏切ることはできない。男は駆け落ちを提案するのだが、女はすべての人に裏切られた父を娘までが裏切ることはできない、と答える。そして、自分は平凡な農夫の妻となり、静かな人生を送る決意を述べる。このあたり、この本の圧巻であろう。悲恋物語となっていて、探偵小説の領域をはるかに越えてしまっている。自分はこのあたりの文章を息をのんで読んでいる。一言一言、味わうようにして読んでいる。この高貴な魂の持ち主 Marie-Anne に同情したのである。

そして、そこに敵方 Sairmeuse 家の息子 Martial が狩りをしていてその場所に偶然やってくる。
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ここまで読んだのだが、次はどうなるか。面白くなりそうである。でも、ちょっと一休みしてこのブログを書いている。

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