異文化の森へ

Lecoq の構成と『緋色の研究』

2014-12-06

Monsieur Lecoq の第二部を読み始めている。今までとは、がらっとかわり、第一部の事件よりもかなり昔の話が始まる。フランス革命、ナポレオン、王制復興などがあったフランスの歴史の中でもっとも刺激に満ちた時代の話である。政変と土地争いが関係するようである。この時の話が第一部の話につながっていく。

Sairmeuse と d’Escorval はこの土地の名士であり、対立していたようである。謎の人物名 Lacheneur もどうやりこの土地の人である。少し、話が進んだが、いまのところ、昔の話だけで、まだ Lecoq は登場しない。第一部の謎がすべて、ここで解けるわけだから、少々ワクワクしながら読んでいる。とくに第一部で発された「それがプロシア軍ならば、万事窮す」(C’est les Prussiens qui arrivent, je suis perdu!)という Waterloo におけるナポレオンの言葉?とMaiの言葉のつながりに付いて知りたい。

ある事件が起こり、その謎は何十年か前の昔の出来事と関連する。そして、第一部(現代編)と第二部(過去の回想編)から構成される。この本の構成を考えると、ホームズの『緋色の研究』を思い出す。ホームスは『緋色の研究』の中で、Lecoq について言及している(酷評だが)。ホームズシリーズは明らかに、この本の構成から影響を受けているようだ。

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