異文化の森へ

『いま生きる「資本主義」』を読む

2014-11-09

『いま生きる「資本主義」』(新潮社、2014年)を読んだ。普段はミステリーやSF小説しか読まないのだが、本屋で立ち読みしていたら面白いので、つい買ってしまった。佐藤優氏が資本論に付いて新潮講座で6回にわたって講義した内容を本にまとめたものである。資本論を読んだことのない自分で、書いてある内容の6割程度しか理解できなかったが、それでもこの著者である佐藤優氏は大変な博学で、かつ語りも上手であるので、自分も彼の講義に参加してみたい気になった。資本論を丁寧に読むことで現代社会の構造が見えてくる「らしい」。自分の知識では「らしい」としか言えないが、十分に知的刺激に満ちた本であった。

「自分の文体を見つけよう」p.151の項目では、メールや Line では機械的・反射的に書いている、と判断していたが、この判断は自分とは異なる。かなり、正確で論理的な文章を意識して書いている人もいることと思う。

佐藤優の売りは3つある。神学部出身でキリスト教徒であり、キリスト教に造詣が深いこと、ソビエトで外交官でありロシア語や当時のロシア社会を知っていること、拘置所に512日ほど入っていたこと、これらを元手にして、洞察力にとんださまざまな本を出版している。これは驚嘆すべきことである。小室直樹や立花隆なども博覧強記の人だが、佐藤優は独特の経験をしているだけユニークな話ができる点が有利であろう。

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