異文化の森へ

異邦人を読み終える

2014-06-05

『異邦人』を読み終える。主人公のムルソーを、私ならば、「異界の人」と呼びたい。この本のタイトルは「異界の人」がいいと思う。ムルソーは肉体はこの世界に住んでいるが、「異界の人」として生きている。異界の人ゆえに、この世界では、人々から奇人変人と忌み嫌われる。最終的には、肉体の抹殺まで行われてしまう。この小説は、客観的に言えば、ちょっと変わった人、風変わりな考えの持ち主が、偶然から、悪魔的な存在と見なされて、死刑判決されるというお話である。

しかし、その思想は限りなく深い。読者の誰もが、自分自身の中の異常性(あるいは異界性)に気づいているだろう。その程度が弱くあれ、強くあれ。この小説は、人々のそのような気づきに強く訴えかける点がある。ムルソーの中に自分自身を見てしまう、という読者もたくさんいるだろう。

さて、次は、Adelbert von Chamisso によるPeter Schlemihls wundersame Geschichte (kindlle 版)を読む事にしたい。kindleでは無料でダウンロードできる版があるが、自分が読むのは有料の二言語版 (doppel text) である。つまり、ドイツ語の文章の下に英語の文章が並記されている。両者を比較しながら読めるのである。

画像は自分の持っているBuchner, C.C.社刊の本である。これは薄いペーパーバックで読みやすいのだが、自分は二言語のkindle版で読んでいく事にする。

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