異文化の森へ

The Dark Tunnel を読み終える。


Ross Macdonald のThe Dark Tunnel (Open Road Integrated Media)を読み終える。 

冒頭がデトロイトの話だ。Detroit is usually hot and sticky in the summer, and in the winter the snow in the streets is like a dirty, worn-out blanket. (p.1) この文章が好きだ。何となくデトロイトの雰囲気が分かる。今は、廃れた街だが、当時は人がたくさんいて栄えていた街だったはずだが、生き生きとした幸福感に溢れる街ではないという印象を受ける。

主人公はDr. Robert Brauch である。彼の目を通して話が進んでいく。ただ、彼の目から全ての事件の展開が見えるようになっている。ちょっと、都合のいい時に、事件の鍵を握る出来事や犯罪そのものを目撃したりする。

あげくには昔の恋人とうまい具合に遭遇する。この辺りが不自然という感じはするが、とにかく早いピッチで話は展開する。それで、私もハラハラ・ワクワクしながら読み終えることができた。

1943年という時代、ヨーロッパでは第2次世界大戦があって、アメリカにもドイツのスパイ網が張り巡らされていて、貴重な情報がドイツに送られている時代だ。そして、サボタージュが行われている。そのスパイを見つけることが主人公の仕事だ。

戦争をしている相手国の人間を受け入れて大学の教員という地位を提供している、そんなアメリカの懐の深さにも驚く。

大学というアカデミックの場での事件、そして TAILLOUR という文字の秘密など、ミステリーとしては上質の出来栄えである。

当時の時代背景や、アメリカの人々の生活スタイルが垣間見れて面白い。当時から、アメリカ人は車を所有していて、銃の保持が認められている、そんな生活は日本とは異なるので興味ふかい。

Ross Macdonald の小説は、主人公は私立探偵のリュー・アーチャであるが、ここでは大学の教員である、Robert Brauch が主人公である。彼は、リュー・アーチャと同じような動きをするので、リュー・アーチャの分身であると言ってもいいだろう。

とにかく良質のミステリーであることは保証する。英文も読みやすい。

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