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The Underground Man (Ross Macdonald, 1996, Vintage Crime) を読み終える。この話だが、これは Ross Macdonald のすべての話に共通しているのだが、話が早い。わずか、数日で片付いてしまう。私立探偵の Archer は、この3日のうちにそこら中に飛び回り、たくさんの人に出会い、 たくさんの情報を得て問題解決に向かう。このスピードがハードボイルだ小説の特徴だろう。
松本清張の話などは、ゆっくり進む。半年、1年ぐらいかかることもある。アメリカのハードボイルド小説の特徴である、スピードとテンポの良さは読んでいて心地よい。
今回はタイトルが The Underground Man が内容とある種の関連性があった。よく全然関係ないタイトルの場合もあるが、今回は、珍しく関連性があったのだ。
山火事という舞台も面白い。そして、垣間見える、カリフォルニアに住む人々の生活が分かる。そして、人々が20年前、30年前の悪夢にうなされながら、それを克服できずに、アルコール、麻薬、などにおぼれる例があることが分かった。
Macdonald の技法、必ず、逃げる人を登場させて、それの正体を暴くことに読者の関心を集中させる方法は見事としかいいようがない。
しかし、一つの疑問は、なぜ少年Ronny を連れ去る必要があったのか。その点はこの小説には説明されていない。