2015-05-18
このところ、ある仕事を引き受けて少なくとも5月いっぱいはアップアップの状態である。ストレス発散で YouTube を聴いていたら、シューマンのヴィオリン協奏曲なるものを発見した。シューマンには交響曲やピアノ協奏曲があることを知っていたが、彼にヴィオリン協奏曲があることは知らなかった。聴き始めたが、なかなかいいではないか。
1982年の録音で、ヴィオリンはギドン・クレーメル、リッカルド・ムーティ指揮のフィルハーモニ管弦楽団によるものだ。なんだか、どこかで似たような曲を聞いたように感じる。シベリウスの曲に似ているかな。
ヴィオリン協奏曲で自分が一番好きなのは、シベリウスであるが、シューマンの曲はこれと似ているようだ。シベリウスの協奏曲は感情の高揚を巧みに処理する必要があるので、グリューミオの演奏による曲は大好きだった。いまは、一時期ほどの愛着は感じなくて、もう少し淡々とした演奏が好きなのだが。
シューマンは『詩人の恋』の冒頭の Im Wundershönen Monat Mai が素晴らしい。若い頃、NHKの『ドイツの詩歌』というテープでこの曲を聴いて感激した。あまりにこの演奏の影響が強くて、その後高名な声楽家の歌声を聴いてもあまり感激しない。初めに聴いた演奏がその後を決定するのだ。NHKのテープで歌った人は誰なのか。その人のCDを集めたいと思うのだが。
音楽一般に対して、昔ほど一生懸命聴くことはなくなった。聴くとしたら、その当時聞いていた自分を思い出す、つまり、その音楽と結びついていた過去を思い出すためである。その曲の魅力だけで聴けるのは、今は、バッハぐらいか。イギリス組曲、インヴェンション、平均律などをゆっくりと時間をかけて、自分の抱えている仕事を忘れて、無心に聴いてみたい。