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例によって Das fliegende Klassenzimmer を読んでいる。Kästner の特徴として、やたらと登場人物が多いのだ。しばらくすると誰が誰だか分からなくなる。
Die Realschüler haben mich und den Kreuzkamm auf dem Nachhauseweg überfallen. Den Kreuzfallen haben sie gefangen genommen. (p.35)
このKreuzkamm にしばらく迷ってしまった。ドイツ語は名詞は大文字だ。そして冠詞が付いている。Kreuz は十字架の意味だ。Kamm は櫛の意味だ。「十字架になった櫛」とはどんな形態だと想像した。でも、これでは意味が通らない。人の名前だとしばらくして気づいた。
この名前はこの本では始めてでてくる名前である。はじめにこの人物の紹介をしておいて出てくるのならば、すぐに人物名だと分かる。が、突然出てくるのでは、普通名詞かと思ってしまう。
ドイツ語では人名にも定冠詞をつける。それは格を示す必要があるからだ。そのことは分かっているが、やはり迷ってしまう。特に、Kästner のように登場人物が多い作家では、気をつける必要がある。
英語で the をつけるのは、〜夫妻、とか〜家の人を示す時だけだ。the Yamadas で「山田夫妻」か「山田家の人々」を示すのだ。
ドイツ語では人名につける定冠詞は格を示すのだという点をきちんと押さえておきたい。
さて、この話だが、Kreuzkamm やDiktathefte は少年たちの仲間なのだろう。でも、Matthias は、Gott sei Dank ! (p.35) と言っている。「ありがたい」の意味だ。なぜ感謝するのか。それとも逆に意味なのか。
また、… fragte Matthias, とあって、主格の時は定冠詞をつけないようだ。うーん、この辺りはどうなのか。人名につける定冠詞だが、3格や4格の時だけつけるのか、ちょっと注意してみよう。
補足(2017-11-11)
Kreuzkamm は少年たちの仲間と推測したが、Am liebsten hätte ich den ollen Professor Kreuzkamm gefragt, ob … (p.43) とあるので、先生の名前のようだ。Professor と言ってもギムナジウムの教師のことのようだ。でも、ギムナジウムの教師を指すのはオーストリアでの用法と辞書にはある。この『飛ぶ教室』はオーストラリアのことではないので、ちょっと解せない。
Diktatheft は人の名前と考えたが、Diktat (口述)の授業の時に使うHeft (ノート)のようだ。そのノートを奪われたので問題になっているようだ。