異文化の森へ

Les amours d’un faux col

2015-05-24

懸案の仕事がある程度目安がついたので、また本格的な読書を始めることにした。編集の仕事に追われて、とうてい本を、特に外国語の本を読む気には、なかなか、なれなかった。しかし、今日から再開である。中断していたアンデルセンの童話集を読み始める。第2話 Les amours d’un faux col である。

この話は、いろいろと自分に馴染みのない言葉が出てくる。un faux col とはなにか。辞書にも載っていないのでgoogleで調べると、「取り外しのできる襟」とある。この「襟」の恋愛遍歴の物語である。この襟が適齢期になったと感じて、まず洗濯桶の中で一緒になった jarretière (ガーター)に恋をする。色々と口説き始める。

Oserai-jai, mademoiselle, vous demander votre nom?
Je serais bien heureux de savoir où vous demeurez.

彼女の名前と住所を聞き出そうとする。しかし、彼女はあくまでも拒んでいる。それで、ついに彼は遂に最後の言葉を言ってしまう。

Eh bien! vous n’êtes qu’une prude!, lui dit le faux col qui voulut avoir le dernier mot.

そして、つぎはアイロンに恋をして、Madame, lui dit le faux col, vous m’avez positivement ranimé: je sens en moi une chaleur extraordinaire. などと言う。おかしな話である。次から次と振られていくのだが、人には自分が振ったという風に話を作り変える。ユーモアとペーソスのある話である。自分のお気に入りの話になりそうである。

 

 

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