異文化の森へ

ouvrir/ fermer

2015-02-19

La Peste を読み続ける。le docteur tournait la bouton de son poste. (no. 2218)という文がある。このposte に意味がわからなかったので、辞書を調べる。すると、ラジオかテレビとある。この本が書かれた時期を考えるとラジオであろう。「医者はラジオのつまみを回した」という意味であろう。posteにそんな意味があるのかとやや意外であった。

また、プチロワ辞典の例文をみると、 ouvrir [fermer] le poste とあって、ラジオ/テレビをつける/けす、という意味である。英語で言えば、open/ close であるが、この語を使うのは非常に興味深いと思った。東南アジアの英語では、turn on/off の意味でopen/ close がよく使われる。この点でフランス語も同じであるのが、興味深かった。

no. 2263に、いつもは沢山いる犬の姿が見えない、との描写がある。これは、以前に野犬や野猫はノミを広めるので、始末するという話があったが、それを受けている。たしかに野犬たちは退治されたことを示している。罪のない野犬たちに同情をする。

ジャーナリストのRambert はペストの蔓延するオランの町から逃げ出したい。しかし、町から外への移動は禁止されている。逃げ出すために非合法な方法を使おうとする(no. 2243)。そのために、非合法な組織に接近する。それの手助けでオランの町から逃げようとする。ペストが蔓延する町からは、誰でも逃げ出したいだろう。

Rambert がうまく脱出できるのか、この点に焦点を合わせて話を進めていけば、この本も面白くなるだろうと思う。今までのところは、ペストに苦しむオランの町の住民を、人間存在の縮図に例えているだけで、あんまり面白くない。

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