異文化の森へ

間違えやすい単語

2015-02-07

しばらく英語の本を読んでいて、フランス語の本に移ると英仏で同じスペルの単語が現れた時、ちょっとまごつく。but, car, mine などである。or などは接続詞としてどちらも使われるので、間違いやすい。フランス語では「さて」という意味であるが、英語風に「ところで」と解釈しても結構意味が通じてしまうので厄介である。

no. 1100ぐらいから、哲学的な考察、かなり退屈な文章がしばらく続く。ミステリーならばこんな退屈な文章が続くと致命傷であるが、一般書では許されるのかな。ペストゆえに、外部から遮断され閉じ込められた人々の動きや孤独に苛まれている姿は、多分人間の存在のメタファーであるのだろう。そのメタファーを哲学的に論じている。

外部から街へは車は一台も入ってこない。Depuis la fermeture, pas un véhicule n’était entré dans la ville. (no. 1240) 完全な遮断である。オランは港町であるが、船も一隻も入港しない。港の動きは止まる。しかし、人々はまだピンとこないようだ。Personne n’avait encore accepté réellement la maladie. (no. 1248)

ところで、この話はカミュがどこからかアイデアをえた話であろう。これは実話なのか?異邦人では、ある殺人犯の話からアイデアを得てあのストーリを組み立てたと聞いたことがある。現代でもエボラが蔓延しており、ナイジェリアやシエラレオネは隔離されている状態である。これはどこでもいつの時代でも起こりうる話である。

オランは人口が20万人ぐらいの町とある(no. 1254)。自分としては憧れる。地中海に面する地方都市、夏は暑いが、冬はしのぎやすい。フランスとアラブの文化が交流して一種独特の魅力を生み出していそうである。でも、今のオランはイスラム化が進んで、外国人は行きにくい街になったのだろうか。

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